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일본서적/お金の要らない国 돈이 필요 없는 나라

お金の要らない国(45p 46p)

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あくる日、私は紳士が紹介してくれた広告代理店へ行った。

応接室に通されると間もなく、二十七、八歳の、いかにも頭のきれそうな、

黒人のキャリアウーマンが入ってきた。彼女は美しく知的な顔を私に向け、

にっこり笑って言った。

 

「ようこそ。私は人事担当の者です」

 

しばらく彼女と話しているうちに、私はいきなり翌日、

あるクライアントにオリエンテーションを

受けに行くことになってしまった。広告制作の未経験者には、

新人養成のセンターもあるようなのだが、

私の場合は私の国での経験があるので、

とりあえずやらせてみようと彼女は思ったらしい。

彼女一人の判断でそこまで決めてしまえるのは驚きだったが、

本当に信頼関係で成り立っている世界なのだなあと私は思った。

 

もちろん、コマーシャルの制作にたずさわるのは私一人ではないし、

オリエンも、他の部署の人と一緒に行くのだが、久しぶりの仕事に私は

うずうずした。お金がからまないというのも、とても気持ちよかった。

 

翌日、私たちは数人で、クライアントの会社のビルへ行くと、宣伝部の

会議室に通された。すでに、私たちの前にほかの広告代理店らしき数人の

グループが二組来ていた。ははあ、この仕事は競合なのだなと思うと、

私は少し緊張した。しかし、一緒に行った私の仲間はその人たちと親しそうに

挨拶を交わし、屈託なく自分の会社のことなどを話し始めた。私の国では、

競合相手とはあまり口をきかないことが多いので、私は驚いた。

 

しばらくすると会議室に、クライアントらしき二人が入ってきた。一人は明るい色の

スーツを着た四十歳くらいのアジア系の女性、もう一人はラフな格好の三十歳くらいの

白人男性で、二人はテーブルをはさんで私たちと向かい合うように座った。女性が口を開いた。