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일본서적/お金の要らない国 돈이 필요 없는 나라

お金の要らない国(35 36p)

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「だって、私の国ではお金がなければ社会がまわっていかないんですよ」

 

「でも、あなたの国でも、この紙切れや金属を食べたり、

直接何かに使ったりしている人はいないわけでしょう?

要するに、このお金というものは、ものの価値をみんなが共有して

認識するためのモノサシでしかないわけです。

ですから、たとえば今あなたの国で、このお金がいっせいに

パッと消えてしまったとしても、皆がそのまま仕事を続けていけば

社会は回っていくはずなんですよ。

それに、ちょっと想像してみてください。

あなたの国の、お金を扱う仕事にたずさわっている人が、

その業務からいっさい解放された時のことを。

そして、お金を動かすために使っていた時間や労力を、

もっと世の中のためになる仕事に向けたら......

お金に関する仕事がなくなったら、ずっと楽になると思いませんか?

いいですか。今のあなたの国でも、お金に関わる仕事をしている人が全員、

その仕事をやめてしまったとしても、みんな十分に暮らしていけるはずなんです。

そんな、言ってみればムダなことに時間や労力を使っていたにもかかわらず、

あなた方は今までやってこられたわけですから。

ですから、そういう仕事にかけていた時間や労力を、

もっと社会の役に立つ仕事に向ければ、

もっともっとくらしやすくなるはずですよ。」

 

そうか。だんだんそんな気もしてきた。

もし、お金というものがなくなったら、

お金に関するトラブルもいっさいなくなるわけだ。

脱税だとか、借金苦の自殺だとか、銀行強盗だとか。

世の中の「金のため」という矛盾もすべてなくなる。

もしかしたら、世界中の、飢えや貧困に苦しんでいる人たちも救えるかもしれない。

 

しかし、私は紳士に言った。

 

「でも、今、私の国でお金というものがなくなったら、

うまくいくとはとても思えません。きっと誰も仕事を

しなくなって、世界が破滅してしまうんじゃないかな」

 

紳士は言った。

「ははは。こんな紙切れや金属の破片のために破滅してしまうなんて、

面白いですね。まあ、どうなるかはわかりませんが、

確かに、今のあなたの国の状態で、すぐにお金をなくそうとしても無理でしょうね。

あなた方はもっと精神的に成長することが必要でしょう。

でもいずれわたしたちのような社会が作れるかもしれませんよ。

それはこれからのあなた方次第ですね。」